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女性特有の不調や悩みの原因を探る、女性ホルモン検査

2021.11.12

女性の健康と密接に関わっている、女性ホルモン。ストレスや無理なダイエット、加齢などで女性ホルモンの分泌リズムやバランスが乱れると、心身の不調につながることがあります。
今回は、女性ホルモンのはたらきやホルモンバランスの乱れで起こる不調、ホルモンの状態を調べる女性ホルモン検査について、わかりやすく解説します。

 

女性ホルモンには、どんな役割がある?

からだのさまざまな機能を調節するはたらきをするホルモンのうち、女性の卵巣から分泌されるホルモンを女性ホルモンと呼びます。 女性ホルモンには、大きく分けて卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つがあります。

エストロゲンは子宮内膜を厚くして妊娠に備えたり、女性らしい体形を作ったりするホルモンです。生殖機能のほかに、自律神経のはたらきを整えたり、血管や骨、肌を健康に保つ作用もあります。

プロゲステロンは、子宮内膜や乳腺などに作用して妊娠に備え、妊娠が成立したら妊娠を維持するはたらきをするホルモンです。妊娠に備えてからだに水分や栄養素をため込ませる作用があるため、プロゲステロンが多く分泌される月経前はむくみやすくなったり、食欲が増したりします。

女性ホルモンの分泌量は約1カ月の周期で変動し、それに伴い排卵や月経が起こります。女性ホルモンをいつどのくらい分泌するかは、脳から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)が調節しています。女性の月経周期は、脳、卵巣、子宮が協調してはたらくことでコントロールされているのです。
また月経周期には直接関与しませんが、脳から分泌される乳分泌ホルモン(PRL)があり、通常、妊娠・授乳期にホルモン分泌が活発になります。

 

ホルモンバランスの乱れが女性に与える影響

女性ホルモンは、女性のライフステージによってその分泌量が変化します。思春期の10代前半から増えはじめ、性成熟期である20代後半ごろにピークとなります。その後は徐々に減少し、更年期である50歳前後に分泌量は急激に減少します。
女性ホルモンは女性のからだと健康に大きく関係しているため、ちょっとしたバランスの乱れが心身の不調につながることがあります。月経不順や不妊症、更年期症状など、女性が経験する不調や悩みの原因がホルモンにあることも少なくありません。

 

■月経不順

無理なダイエットや強い精神的ストレスがかかると、ホルモンを分泌する脳の視床下部や下垂体の機能が低下することがあります。それにより、FSHやLHの分泌が正常に行われなくなると(主に低下状態)、月経不順や無月経、不正性器出血などが起こることがあります。
また、脳の下垂体から分泌されるFSH、LHやプロラクチン(PRL)の分泌量が正常な範囲よりも多いと、ホルモンのバランスが乱れ、排卵のリズムに影響し、月経周期に異常があらわれます。

■不妊症

卵巣から分泌されるプロゲステロンやエストロゲンの分泌量が少なく、はたらきが不十分な状態になると、妊娠しづらくなることがあります。また、脳から分泌されるFSH、LHやPRLの分泌量が正常な範囲より多い場合も、不妊症の原因になります。FSHが高値の場合、稀に年齢に対して早期に卵巣機能が停止してしまう早発閉経が発症することがあります。 不妊症の原因がホルモン以外の要因にあることもありますが、それぞれのホルモンのバランスを詳しく調べ、からだの状態を知ることが不妊症の治療を行う場合にとても重要です。

■更年期症状

エストロゲンの分泌量は20代をピークに増え、40歳を超える頃から少しずつ減少し、人によっては、月経不順が起こるようになります。卵巣の加齢とともに、排卵サイクルが休止し、月経が無くなることを閉経といい、閉経前後の10年間を一般的に更年期と呼びます。更年期ではエストロゲンが減少するため、エストロゲンを増やすよう卵巣にはたらきかける役割をもつ脳下垂体ホルモン、FSHの分泌量が増加します

脳からのホルモン分泌が急に増えると、脳がパニックを引き起こし、自律神経が乱れやすくなります。突然のほてりやのぼせの症状(ホットフラッシュ)は、自律神経の乱れによる更年期の典型的な症状です。そのほかにも、動悸やめまい、不眠、イライラや気分の落ち込みなどさまざまな不調が生じることもあるため、更年期の女性が不調を感じた場合は更年期症状を疑い、ホルモンバランスなどを調べることが大切です。

 

女性ホルモンの状態を把握して健康を維持しましょう

月経不順や更年期症状のような不調がある場合には、女性ホルモンの状態を調べることで、不調の原因が見つかることもあります。また、女性ホルモンは血管や骨も守ってくれているので、ホルモンの減少が血管系の疾患や骨粗しょう症などを招く原因にもなります。自分自身のホルモンの状態を把握し、その変化に応じて適切な対応をすることが、健康な体の維持につながります。

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記事監修者:
吉形 玲美(浜松町ハマサイトクリニック 婦人科医師 医学博士)

プロフィール:
東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局、准講師を経て、現在非常勤講師に。2010年7月より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科診療のほか、多施設で女性予防医療研究に従事している。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本女性医学学会専門医ほか。

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