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大腸憩室炎とは?―憩室炎になりやすい人の特徴と注意したい症状

公開日:2026.08.08

そもそも、「大腸憩室」って何のこと?

人間ドックで受けた大腸内視鏡検査などで偶然発見されることの多い、大腸憩室(だいちょうけいしつ)。大腸憩室の「憩室(けいしつ)」とは、腸の壁にできた袋状のへこみのことです。大腸憩室は炎症や出血を起こしやすく、大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)が重症化すると腸管に穴が空いてしまうこともあります。今回は、大腸憩室炎が起こる原因や主な症状について詳しく解説します。

【 この記事のポイント 】
・大腸憩室炎とはどんな病気で、なぜ起こるのかが分かります。
・自分が大腸憩室炎になりやすいタイプかどうか、リスク要因から確認できます。
・症状が出たときに何に気をつけ、どう行動すればよいかが分かります。

そもそも、「大腸憩室」って何のこと?

大腸憩室炎(だいちょうけいしつえん)は、「憩室(けいしつ)」と呼ばれる消化管の壁にできた小さなポケットに炎症が起こる病気です。憩室は、胃や十二指腸、小腸など、消化管のさまざまな部位にできますが、もっともできやすいのが大腸です。

生まれつき大腸憩室がある人もいますが、ほとんどの場合は後天性で、1つだけでなく複数の憩室ができる人も少なくありません。大腸に憩室が複数ある状態を「大腸憩室症」と呼びます。欧米では大腸憩室を持つ人の割合が高く、憩室保有率は60歳以上で50%を超えるとされています。一方で、日本人では欧米人ほど高くなく、大腸憩室を持つ人の割合は約24%(平均年齢52歳)とされています(※1)。

大腸憩室ができる原因として考えられているのは、大腸内の圧力の上昇です。便秘などで大腸の内圧が上がると、腸管壁の弱い部分が圧力に負けて押し出され、袋状に膨らみができます。これが「大腸憩室」です。

腸管には、収縮と弛緩(しかん)を繰り返して腸の内容物を肛門側へ運ぶ、筋肉の層があります。憩室はこの筋肉層が弱くなっている部分にできやすく、特に血管が通る部分は筋肉が薄くなっているため、腸管が外に突出しやすいとされています。日本人の場合、50歳未満の若い世代では右側結腸に憩室ができることが多く、加齢とともに左側結腸の割合が増える傾向があるとされています(※1)。

腸管の筋肉は加齢にともなって薄くなるため、大腸憩室は高齢者によくみられます。高齢化が急速に進む日本では、近年、大腸憩室を持つ人が増加傾向にあるといわれています(※1)。大腸憩室があるだけでは何の症状も現れませんが、ある日突然炎症を起こして、激しい痛みを伴う大腸憩室炎や血便として症状の出る大腸憩室出血になることがあるため、注意が必要です。

大腸憩室炎が起こる原因と症状

大腸憩室炎が起こる原因と症状

大腸憩室は、袋の入り口が狭く、奥が深いポケットのような形をしています。そのため、大腸を通過する便がこのポケットの中にスポッと入り込み、詰まってしまうことがあります。ポケットの内部で細菌が繁殖し、炎症を起こすと、腹痛や発熱などの症状が現れます。このような状態を「大腸憩室炎」といいます。

また、憩室は血管が通っているところにできやすいため、ポケットの中で硬くなった便(糞石)が血管を傷つけ、出血することもあります。このような出血を「大腸憩室出血」といいます。大腸憩室出血では憩室炎のような腹痛や発熱はみられず、突然の血便で自覚することがほとんどです。

大腸憩室炎の主な症状

  • 下腹部の持続的な痛み
  • 発熱
  • お腹を押したときに感じる強い痛み
  • 吐き気・嘔吐、食欲不振
  • お腹の張り
  • 下痢

大腸憩室炎が重症化すると、穿孔(せんこう:腸管に穴が空くこと)が起こったり、膿瘍(のうよう:膿が溜まった袋)を形成したりすることもあります。穿孔して腹膜炎を起こすと、敗血症やショック状態に陥るおそれがあり、非常に危険です。穿孔や膿瘍などの合併症は大腸憩室炎の16%に起こるとされており、その場合の死亡率は2.8%と報告されています(※1)。腹痛に発熱を伴う場合は、安易に自己判断せず、医療機関を受診することを強くおすすめします。

「ただの腹痛だから」と原因が分からないまま自宅にある鎮痛剤を服用すると、水面下で炎症が進行し、結果的に重症化するリスクもあります。特に、ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる解熱鎮痛薬は大腸憩室からの出血のリスクを高めるため、大腸憩室炎に対する使用は避けるべきとされています。

大腸憩室炎のリスクと予防のためにできること

大腸憩室炎のリスクと予防のためにできること

大腸憩室炎はどの年代でも発症する可能性がありますが、40歳以上の人に多い傾向があります。特に、喫煙や肥満は大腸憩室炎のリスクを高める可能性が高いとされており、これらのリスクを持つ人は注意が必要です。

また、大腸憩室の形成には慢性的な便秘や食物繊維の摂取不足などが関わっていることから、大腸憩室炎の根本的な予防・対策を考えるなら、生活習慣を見直すことも大切です。

大腸憩室炎になりやすい人の特徴

  • 年齢が高い
  • 喫煙習慣がある
  • 運動不足で肥満の傾向がある
  • ロキソニンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)をよく使う
  • 食物繊維の摂取量が少ない

大腸憩室炎の効果的な予防法はまだ確立されていませんが、上記のリスクを踏まえ、大腸憩室炎になりにくい生活を送ることが予防につながると考えられます。まずは食習慣の改善などできることから始めてみましょう。

大腸憩室炎の予防につながる生活習慣

  • 野菜・果物、きのこ類、海藻類など、食物繊維が豊富な食品を積極的に摂る
  • 水分をしっかり摂取する
  • 適度な運動を習慣化する
  • 禁煙に努める
  • 排便を我慢せず、規則正しいトイレ習慣を作る

早期発見とその後の安心のために、大腸検査を受けよう!

症状のないうちに「自分の大腸に憩室があるかどうか」を確認しておくことは、万が一大腸憩室炎になった場合の早期診断・早期治療に役立ちます。実際、大腸憩室は炎症などが起きてから発見されるよりも、人間ドックで受ける大腸内視鏡検査(大腸カメラ)などで偶然発見されることが多いといわれています。

事前に検査を受けて自分の大腸のどこにいくつの憩室があるかを把握していれば、発熱を伴う腹痛で医療機関を受診した時、医師は大腸憩室炎を疑うことができます。これにより迅速に診断につながれば、無駄な検査を省けるだけでなく、診断の遅れによる重大な合併症を防ぐことも可能です。

また、大腸憩室があることをあらかじめ知っていれば、食生活や痛み止めの使用などを見直すことで、大腸憩室炎の発症予防に取り組むこともできます。

症状が現れる前に大腸憩室の有無を知っておくことには、こうしたメリットがあります。大腸憩室の有無だけでなく、大腸がんやポリープなどの病気も含めて大腸の状態をチェックするためにも、40歳を過ぎたら定期的に大腸内視鏡検査などの画像検査を受けるようにしましょう。

ミッドタウンクリニック名駅では、大腸内視鏡検査はもちろん、CT検査を使った、大腸精密検査「大腸3D-CT検査」をご用意しています。当クリニックの「大腸3D-CT検査」なら、苦痛を伴うことが少なく、短時間で大腸やその周りの臓器を隅々まで調べることが可能です。なお、「大腸3D-CT検査」は腸管内に炎症があったとしても実施することが可能なため、大腸憩室炎が疑われる場合の第一選択の検査とされています。

大腸内視鏡検査や「大腸3D-CT検査」は、各種健康診断・人間ドックのオプション検査として受診いただけます。消化器に特化した専門ドック(消化器ドック)のご用意もありますので、大腸を詳しく調べたい、大腸の病気が気になるという方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

大腸憩室炎のよくある質問

大腸憩室炎について、よくある質問にお答えします。

Q.どんな症状のとき、大腸憩室炎と疑ったほうが良いですか?
A. 一般的な腹痛と区別するうえでの目安は、発熱を伴うかどうかです。消化不良やガスによる腹痛は通常、発熱をほとんど伴いません。大腸憩室炎は細菌感染による炎症が原因のため、腹痛と同時に発熱が現れることがあります。以下のような症状の組み合わせがあるときは、大腸憩室炎が疑われます。
・腹部の特定の場所(下腹部)が数時間以上、持続的に痛む
・発熱がある(37〜38℃以上)
・お腹を押すと痛みが強くなる
・吐き気や食欲の低下を伴う
・排便を我慢せず、規則正しいトイレ習慣を作る
腹痛に発熱を伴う場合は、自己判断で鎮痛剤を服用せず、早めに医療機関を受診してください。

Q. 大腸憩室炎は自分で治せますか?
A. 大腸憩室炎は細菌感染が原因で起こる病気なので、抗菌薬で細菌の増殖を抑える治療が必要です。自分で対処しようとせず、必ず消化器内科などの医療機関を受診しましょう。安易に鎮痛薬を服用し痛みをごまかしていると、炎症が悪化しかねません。重症化すると腸に穴が空いて命の危険につながることもあるため、できるだけ早く適切な治療を受けることが大切です。

Q. 大腸憩室炎は、一度治っても再発しますか?
A. 再発することがあります。再発率は1年で約8%、5年で約17%、10年で約22%とされ、膿瘍などの合併症を伴った場合はさらに高くなる傾向があります(※1)。再発を繰り返す場合や合併症を伴う場合は、手術による治療を検討することもあります。再発を防ぐためにも、食物繊維を意識した食生活など、生活習慣の見直しを続けることが大切です。

 

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今回は、心疾患リスクをお調べする「心臓CT検査」や、腸内環境を見える化できる「腸内フローラ検査」付きのコースが多数ございます。
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人間ドックコース・料金

当クリニックでは皆さまのご要望に柔軟に対応できるよう、多様なコースをご用意しています。
どのコースを受けたら良いかわからない場合は、お気軽にご相談ください。

森山 紀之

医療法人社団進興会 理事長

1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

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