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脳卒中とは?―知っておくべき初期症状と予防法

2022.03.25

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脳卒中は加齢とともに発症しやすくなる病気ですが、50歳以下の若い世代でも発症することがあります。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの持病があると脳卒中の発症リスクが高まるため、毎年健康診断を受けてからだの状態に気をつけることが大切です。今回は、脳卒中の症状や予防法、リスク管理のための検査などについて解説します。

 

脳卒中とは、どんな病気?

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳に血液が届かなくなり、脳が障害を受ける病気です。脳の組織が障害を受けることで、手足がまひする、ろれつが回らない、物が二重に見える、などの症状が現れます。脳は部位によってつかさどる機能がさまざまなので、障害を受けた部位や程度によって症状が変わってきます。

厚生労働省の「人口動態統計2020」によると、脳卒中は日本人の死因の第4位、1年間で約103,000人の方が亡くなっています[※1]。また、65歳の要介護者が介護が必要になった要因としてこの脳卒中が第2位になっており[※2]、特に注意が必要な病気の一つといえるでしょう。

脳卒中は大きく以下の3つのタイプに分類されます。
①脳の血管が詰まる「脳梗塞」
②脳の内部で血管が破れる「脳出血」
③脳の表面にある血管にできたこぶ(動脈瘤)が破裂する「くも膜下出血」

 

患者数は脳梗塞がもっとも多く、次いで脳出血、くも膜下出血の順となっています。 脳卒中は高齢者に多い病気ですが、40歳代、50歳代で発症する人もいます。50歳以下では、高齢者に比べて脳出血やくも膜下出血の割合が高いという特徴があります。

 

脳卒中では、どんな症状が現れる?

脳卒中は、「急に意識を失って倒れる」といった重い症状で発症するものばかりではありません。「何となくおかしい」という違和感から始まることもあるため、よくある症状を知っておくことが大切です。
脳卒中が疑われる症状として、次のようなものがあります。

〈脳卒中の主な症状〉

  • ・片方の手足、顔半分がまひする
  • ・手足がしびれる
  • ・ろれつが回らない
  • ・言葉が出てこない、人のいうことが理解できない
  • ・足がもつれる
  • ・物が二重に見える、視野の半分が欠ける、片方の目が見えない
  • ・経験したことがないほどの激しい頭痛
  • ・意識が薄れる
  • ・めまい、吐き気

 

症状はさまざまですが、突然生じるというのが脳卒中の症状に共通する特徴です。脳梗塞、脳出血でもっとも多いのは半身(片方の手足、顔の半分)のまひです。次に、ろれつが回らない、言葉が出てこないといった言語障害の症状が多く現れます。くも膜下出血の場合、今までに経験したことのない激しい頭痛が特徴的な症状です。頭痛と同時に嘔吐することもあります。

脳卒中が疑われる症状が現れたら、一刻も早く救急車を呼ぶことが重要です。発症後の対応が早いほど、命が助かる可能性、後遺症が軽くなる可能性が高まります。

 

脳卒中の予防法とリスク管理のための検査

脳卒中の最大の危険因子は、高血圧です。血圧が高くなると血管の内壁に負担がかかり、破れて出血しやすくなったり、傷がついて詰まりやすくなったりします。また、動脈硬化を引き起こす要因となる糖尿病や脂質異常症も重要な危険因子です。これらの持病がある人では、それぞれの病気をしっかり治療するとともに、生活習慣を見直すことが重要です。

心房細動という不整脈がある場合、心臓内にできた血液のかたまり(血栓)が脳に飛び、脳梗塞を引き起こす可能性があります。健康診断などで心房細動があるといわれたら、必ず専門医に相談し、治療を受けるようにしましょう。

〈脳卒中予防のための生活習慣改善のポイント〉

  • ・食事の塩分を控える
  • ・食べすぎに気をつけ、適正な体重を維持する
  • ・野菜や果物、大豆食品を積極的にとる
  • ・禁煙する
  • ・飲酒は控えめにする
  • ・水分をこまめにとり、脱水に気を付ける
  • ・日常生活のなかでできるだけ体を動かす

脳卒中の危険因子がある方や中高年以上の方は、人間ドックなどで脳の血管の状態を調べておくと安心です。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤には遺伝的な素因が関係することもあるため、親族にくも膜下出血を発症した方がいる場合は、若いうちでも検査を受けることをおすすめします。

脳の状態を調べるにはMRI検査が優れています。当クリニックの「プレミアムドック」「エグゼクティブドック」
「プレミアムDWIドック」
「脳ドック」では、頭部MRI検査に加え、脳の血管を画像化するMRI検査の一種である頭部MRA検査を実施しています。頭部MRI・MRA検査を行うことで、脳血管の狭窄や梗塞、脳動脈瘤の有無などを調べられます。なお、頭部MRI・MRA検査は各種健康診断、人間ドックにオプションとして追加することも可能です。

また、血液中の動脈硬化の原因物質を測定し、脳梗塞の発症リスクを予測する「LOX-index」という検査もオプションとして取り扱っています。血液検査のみで行えるため、負担の少ない検査です。詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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参考文献
・篠原幸人 監: Minds版 やさしい解説 脳卒中
※1 厚生労働省「2020年 人口動態統計(確定数)の概況」
※2 内閣府「2021年版 高齢社会白書」

 

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alt=記事監修者:
医療法人社団 進興会 理事長 森山紀之

プロフィール:
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

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