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糖尿病とは?―発症のしくみ、症状から予防法まで

2021.12.24

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平成28年国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人の割合は約1,000万人と推計されており、糖尿病の可能性が否定できない人約1,000万人を含めると、国民全体の約16%が糖尿病またはその予備軍とされています。

糖尿病が強く疑われる人は男女とも30〜40代から増え始め、50代では男性約18%、女性約6%、60代男性は約25%、女性は約11%(※1)と、糖尿病は年齢が上がるとともにかかりやすくなる病気です。 今回は、糖尿病が発症するしくみや症状、合併症、予防法など、糖尿病のキホンをわかりやすく解説します。

 

糖尿病とは、どんな病気?

糖尿病は、インスリンというホルモンが不足したり、十分に作用しないことで血糖値の高い状態が続く病気です。
血糖値とは、血液中の糖分(グルコース)の濃度のことです。食事をすると腸から糖が吸収され血糖値が上がりますが、すい臓から分泌されるインスリンの働きによって、血液中の糖は筋肉や脂肪組織に取り込まれて血糖値が下がります。細胞に取り込まれた糖はエネルギー源として利用されたり、余った分は貯蔵されたりします。

もし血糖値が高い状態が続くと、血管を傷つけたり詰まらせたりして、さまざまな病気を引き起こす原因となります。

糖尿病には1型と2型という2つのタイプがあります。

1型糖尿病の場合はすい臓の細胞(β細胞)が壊れ、インスリンがほとんど分泌されなくなることで血糖値が高くなります。原因は不明な点もありますが、本来体を守るために働くはずの免疫が、何らかの原因で誤ってβ細胞を標的にして破壊してしまう自己免疫疾患が一因といわれています。

一方、2型糖尿病の場合は遺伝的な要因に加え、食べすぎや運動不足などの生活習慣の影響でインスリンの分泌量が少なくなったり、分泌されてもインスリンが効きにくくなったりして高血糖の状態が続きます。1型は糖尿病全体の10%程度、残りの大多数を占めるのは2型糖尿病とされています。

 

糖尿病の症状、合併症とは?

糖尿病の典型的な症状として、疲労感やのどの渇き、多尿、体重減少などがあります。1型糖尿病では多くの場合、発症時にこうした症状がはっきりと現れます。一方、2型糖尿病では初期の段階では何年も症状が現れないか、症状があっても軽いことがほとんどです。

血糖値が高い状態が続くと、血管が傷ついたり詰まったりするようになり、さまざまな合併症が起こります。2型糖尿病の場合は自覚症状に乏しいため、診断された時点で糖尿病に特有の合併症である網膜症や腎症、神経障害が進行してしまっていることも少なくありません。

 

〈糖尿病の慢性合併症〉

  • 糖尿病網膜症:視力が低下し、進行すると失明することもある
  • 糖尿病性腎症:腎機能が低下し、透析が必要になることもある
  • 糖尿病性神経障害:両足に痛みやしびれが現れたり、自律神経が障害されて発汗異常や便秘・下痢、膀胱の機能障害、勃起障害などが起こったりする
  • 動脈硬化性疾患:動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まる
  • 糖尿病性足病変:足や爪の白癬症(いわゆる水虫)や足の潰瘍(深い傷ができた状態)などが起こる。重症になると足が壊疽(組織が壊死した状態)を起こし、切断が必要になることもある

 

そのほかにも、糖尿病は歯周病や認知症、がんなどの病気のリスクを高めることが知られています。糖尿病になった場合、こうした合併症の発症・進行を防ぎ、健康な人と変わらない生活の質と寿命を確保することを目指して治療を行います。

糖尿病を予防するために気をつけるべきこと

糖尿病の診断は、血液検査で血糖値とHbA1c(過去1、2カ月の平均血糖値を反映する指標)を調べることで行います。健康診断では空腹時血糖値とHbA1cを調べますが、空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合やHbA1cが6.5%以上の場合は、糖尿病が疑われます。糖尿病の疑いがあるといわれた場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

空腹時血糖値が110~125mg/dLの場合、またはHbA1cが6.0~6.4%の場合は糖尿病の疑いが否定できないグループ(群)とされており、糖尿病を発症する途中の段階だと考えられます。この段階ではまだ糖尿病とは言えないものの、血糖値が高めの状態が続くと動脈硬化が進んでしまいます。動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを下げるには、予備軍の段階で糖尿病の発症を食い止めることが重要です。

2型糖尿病の発症には生活習慣が大きく関わっているため、糖尿病予備群といわれたらまずは食事や運動習慣の改善に取り組む必要があります。生活習慣を改めることで血糖値がどのくらい改善したかを確認するために、血液検査は定期的に受けましょう。

 

 

〈糖尿病を予防するための生活習慣改善のポイント〉

  • ・食べすぎに気をつけ、カロリー摂取量を適正化する
  • ・食物繊維を積極的に摂り、動物性脂質の摂取を控える
  • ・日常生活のなかでできるだけ体を動かす
  • ・肥満がある場合は減量する(現体重の3%減を目指す)
  • ・禁煙する

当クリニックの健康診断・人間ドックでは、すべてのコースで糖尿病に関する検査項目(空腹時血糖値、HbA1c)をご用意しています。ご加入の健康保険組合との契約によって空腹時血糖値、HbA1cいずれかの検査の場合もございますので、ご自身の検査項目をご確認の上、追加ご希望の場合はお申し付けください。当院オリジナル人間ドックについては、すべてのコースにどちらの検査も含まれています。
検査で糖尿病、糖尿病予備群と判定された方に対するフォローや外来診療も行っていますので、お気軽にご相談ください。

【関連コラム】

糖尿病に合併することの多い高血圧に関するコラムをご用意しております。

 

 

参考文献
・厚生労働省HP 平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-糖尿病患者数の状況
・日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2020-2021」
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」
※1)厚生労働省健康局「令和元年国民健康・栄養調査」

 

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記事監修者:
ミッドタウンクリニック名駅 内科 安藤 豪将

【認定資格】
・日本内科学会 認定内科医/・日本糖尿病学会 糖尿病専門医

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