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腫瘍マーカー検査とは、どんな検査?

2022.01.21

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人間ドックの検査項目に含まれることの多い腫瘍(しゅよう)マーカー検査。当クリニックでもオプション検査として追加されることが多い血液検査です。腫瘍マーカーにはさまざまな種類がありますが、それぞれの検査でどんなことが分かるのでしょうか? 今回は、腫瘍マーカー検査の役割や代表的な腫瘍マーカーの特徴について、わかりやすく解説します。

 

腫瘍マーカーとは?

腫瘍とは、細胞が異常に増えてかたまりになったもののことです。腫瘍には良性と悪性がありますが、悪性腫瘍のことを「がん」と呼びます。

体内にがんが発生すると、通常はほとんど見られない、そのがんに特有の物質が作られて血液や尿の中に出現します。この物質を腫瘍マーカーといいます。血液や尿などの体液に含まれる腫瘍マーカーの濃度を測定すれば、がんの有無やがんがある場所を推測することができます。

採血や採尿をするだけで行えるため、腫瘍マーカー検査は体への負担がほとんどない検査です。腫瘍マーカー検査は、がんの診断の補助として行われるほか、治療効果の判定や治療後の経過観察などでも用いられます。

 

腫瘍マーカー検査でがんを診断することはできる?

がんの診断の補助として実施されている腫瘍マーカー検査ですが、値が高いからといって必ずしもがんがあると確定するわけではありません。腫瘍マーカーの値は、がん以外の病気や喫煙などの生活習慣、いつも服用している薬などの影響で、がんの有無にかかわらず高くなることがあるからです。

そのため、腫瘍マーカー検査の結果に加え、症状や診察、CT検査やMRI検査などの他の検査結果などを総合して、がんかどうかを判定します。

また、腫瘍マーカーはがん細胞の数が多くなると値が高くなりますが、がんが早期の場合などでは値が高くならないことがあります。つまり、腫瘍マーカーの値が基準値以下であっても、それだけで体内にがんがないとは言い切れないのです。
このように、腫瘍マーカー単独でがんの有無を確定させることはできませんが、がんを発見するきっかけとして有用な検査であり、画像検査など他のがん検診とあわせて受けることで診断の精度を高めることにつながります。

 

人間ドックで検査できる、主な腫瘍マーカーの種類

腫瘍マーカーにはさまざまな種類があります。前立腺がんに対するPSAや肝臓がん(肝細胞がん)に対するAFPのように、その臓器のがんに特異的なマーカーもありますが、腫瘍マーカーの多くは複数のがんで値が上昇します。

当クリニックでは、日本人に多いがんの腫瘍マーカーに加え、男性に特有のがん、女性に特有のがんの腫瘍マーカーをセットにした男性向け・女性向けの検査コースをご用意しています。

▼オプション検査(腫瘍マーカー)▼

 

〈男女共通の標準的な腫瘍マーカー〉

■CEA

大腸がんや胃がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、甲状腺がんなどで値が上昇する腫瘍マーカーです。基準値※は、5.0ng/mLとされています。特に、消化管にできるがんでの陽性率が高いといわれています。加齢や喫煙、炎症性の病気(肝炎や膵炎など)でも値が上昇しやすいので、注意が必要です。

■CA19-9

膵臓がん、胆道がん、卵巣がん、子宮体がん、乳がんなどで値が上昇する腫瘍マーカーです。基準値※は、37.0U/mLとされています。胆管炎や、胆石症、子宮内膜症、卵巣嚢腫、気管支拡張症、糖尿病などのがん以外の病気でも値が上昇しやすいため、注意が必要です。

■AFP

肝細胞がんで値が上昇する腫瘍マーカーです。基準値は、10.0ng/mLとされています。肝炎や肝硬変などの病気でも値が上昇するため、その他の肝機能検査などの結果と合わせて診断します。

〈男性に特有のがんの腫瘍マーカー〉

■PSA

PSAは前立腺のみに存在する物質で、前立腺がんを早期発見するために有用な腫瘍マーカーです。基準値※は4.0ng/mLとされています。前立腺がんだけでなく、前立腺炎や前立腺肥大症などの病気でも値が上昇します。

〈女性に特有のがんの腫瘍マーカー〉

■CA125

卵巣がん、子宮がんなどの婦人科領域のがんで多用されている腫瘍マーカーです。基準値※は35.0U/mLとされています。卵巣嚢腫や子宮内膜症、子宮筋腫、膵炎、腹膜炎などの病気でも値が上昇します。また、CA125は月経周期や妊娠などに影響を受け、月経時には基準値を大きく超えることもあります。月経中や妊娠中の場合、女性ホルモンが含まれる薬を服用している場合は、検査前にその旨を伝えておくようにしましょう。

※この値を超えれば陽性判定となる数値

 

 

当クリニックの「腫瘍マーカープレミアムセット」では、標準的な腫瘍マーカーに加え、SCC、シフラ、Pro-GRP、PIVKA-Ⅱ、エラスターゼ1、CA15-3(女性のみ)といった幅広い腫瘍マーカーを調べられます。また、腫瘍マーカー検査が付帯されたオリジナル人間ドックコースをご用意しており、画像診断などとあわせてより精緻にがんのリスクを調べることが可能です。

▼オリジナル人間ドックコース一覧▼

腫瘍マーカー検査を受けて「要精密検査」という結果が出た場合、まずは医療機関を受診して医師に相談するようにしましょう。精密検査を受けなければ、がんがあるかどうかは分かりません。当クリニックでは、要精密検査と判定された方に対するフォローもしっかり行っていますので、安心して受診いただけます。検査について質問などがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

【関連コラム】

この他にも、がんを調べる検査について解説したコラムをご用意しております。

全身がん検査、全身MRI検査(DWIドック)とは?

 

 

参考文献
日本臨床検査医学会ガイドライン2005/2006年版、2018年版

 

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alt=記事監修者:
医療法人社団 進興会 理事長 森山紀之

プロフィール:
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

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