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大腸カメラの痛みはなぜ起こる?痛みを抑える工夫と不安な場合の他の検査を解説

公開日:2026.10.20

大腸カメラの痛みはなぜ起こる?痛みを抑える工夫と不安な場合の他の検査を解説

大腸を詳しく調べる検査として代表的な、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)。大腸カメラを検討している方の中には、検査中に痛みを感じるのではないかという不安から、検査を受ける勇気が出ないという方もいるかもしれません。今回は、大腸カメラで痛みが出る理由や痛みを抑えるための工夫、大腸カメラが不安な場合に選択肢となる「大腸3D-CT検査」について詳しく解説します。

【この記事のポイント】
・大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で痛みが起こる原因や痛みを感じやすい人の特徴が分かります。
・大腸カメラの痛みを軽減する方法を知ることができます。
・大腸カメラに不安や抵抗がある場合、ほかの選択肢について知ることができます。

大腸カメラで痛みが起こる原因は何?

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、先端にカメラを内蔵した細い管(内視鏡スコープ)を大腸内に通して、大腸の内側の粘膜を直接観察する検査です。検査はベッドで横向きになった状態で行い、局所麻酔ゼリーや潤滑ゼリーを使って太さ約12mmの内視鏡を肛門から挿入し、大腸の一番奥の盲腸まで進めていきます。

内視鏡スコープを進める際に、腸管が引き伸ばされたり、検査時に使用するガスによって腸管が急激に膨らんだりすることで、人によっては痛みが生じる場合があります。

原因①:腸管が引き伸ばされるため

大腸は1.5~2mほどの長さがあり、S状結腸や肝彎曲部(かんわんきょくぶ)のような鋭くカーブしている箇所があります。内視鏡スコープを奥へと進める際、このカーブを通過しようとする時に腸管が引き伸ばされたり、押し広げられたりすることがあります。

大腸の粘膜自体は痛みを感じにくいものの、腸管の壁や腸を包む腹膜には知覚神経があるため、腸管が引き伸ばされたり押されたりすると刺激が伝わり、痛みが誘発されることがあります(※1)。

原因②:炭酸ガスで腸管が膨らむため

大腸カメラを行う際は、大腸のひだの裏まで細かく観察できるように、空気や炭酸ガスを送り込んで腸管を膨らませます。この時、腸が拡張されることが引き金となり、痛みを伴う収縮運動が起こると考えられています(※1)。また、大腸内に残ったガスにより、検査後もお腹の膨満感を伴う痛みが残ることがあります。

大腸カメラで痛みを感じやすい人の特徴

大腸カメラで痛みを感じやすい人の特徴

痛みの感じ方には個人差がありますが、以下のような人は大腸カメラで痛みを感じやすい傾向があります(※1)。

やせ型の人

やせ型の人では、腸を支える内臓脂肪や筋肉量が少ないため腸が動きやすく、スコープを挿入する際に腸管が引き伸ばされやすくなります。実際、やせ型の人では大腸カメラで痛みを感じるリスクが約5倍高いという研究報告もあります(※2)。

女性

女性は男性よりも結腸が長く、骨盤の空間が深いため、S状結腸のカーブが鋭くなりやすく、スコープが通過する際に痛みが出やすい傾向があります。また、女性のほうが検査時間が長くなりやすいことも痛みを感じることが多い理由の1つです(※3)。

慢性的な便秘がある人

慢性便秘があると、腸管洗浄液(下剤)を飲んで腸の中をきれいにする前処置の際に痛みや腹部膨満感を強く感じる傾向があります。また、腸が十分にきれいにならないことで検査に時間がかかり、検査中の痛みにつながる可能性があります。

腸の病気がある人

過敏性腸症候群(IBS)の患者さんでは痛覚が過敏になっているため、大腸カメラの検査中に痛みを感じやすいと報告されています(※4)。また、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さんでは、腸管に炎症や狭窄(きょうさく)があるため、腸内をきれいにする前処置の負担が大きく、検査中の痛みも大きいといわれています(※5)。

腹部の手術歴がある人

過去に子宮摘出術や胃切除術、結腸切除術などの手術を受けたことがある場合、お腹の中で腸と周囲の臓器がくっつく「癒着(ゆちゃく)」が起きている可能性があります。癒着があると腸の動きが悪くなり、スコープを進める際に腸が引っ張られるような刺激が加わるため、痛みを感じやすくなります。

大腸カメラの痛みを抑える方法はある?

大腸カメラは痛みを我慢しなければいけない検査ではありません。鎮静剤の使用や検査手法の工夫など、大腸カメラの痛みを抑える方法はいくつもあります。痛みが不安という方は、検査に伴う苦痛を最小限にするための取り組みを積極的に行っている医療機関を選びましょう。

鎮静剤を使用する

鎮静剤を投与すると、問いかけに対しては反応できる程度にぼんやりした状態になり、大腸カメラに伴う痛みや不安が軽減されます。検査が終了した後もしばらくは薬の効果が持続するため、検査後はリカバリールームなどで30分~1時間程度休む必要があります。注意点としては、検査当日は車やバイク、自転車の運転ができません。

高齢者や肝機能・腎機能が低下している人は薬の効果が強く現れたり、長く続いたりすることがあるため、鎮静剤を使うかどうかは医師とよく相談することが大切です。

経験豊富な医師に検査してもらう

大腸カメラの痛みは、内視鏡スコープを操作する医師の技術に大きく左右されます。痛みを最小限に抑えるには、腸を無理に引き伸ばしすぎない挿入技術や腸に送るガス量のコントロール、適切な体位変換などが必要です。

医療機関を選ぶ際は、大腸カメラの検査実績が豊富か、苦痛に対する配慮を行っているかを確認しておくとよいでしょう。

設備が整っている医療機関を選ぶ

腹部の手術歴や腸の病気があるなど、大腸カメラで痛みが出やすいと考えられる方は、設備が整っている医療機関を選ぶことをおすすめします。様々な腸の形に対応できる内視鏡スコープを取り揃えている医療機関であれば、1人ひとりに合わせたきめ細やかな対応が可能です。

また、検査前の不安が強いと痛みやお腹の張りといった症状が強くなるため、リラックスした状態で検査を受けられる環境が整っているかどうかも大切なポイントです。プライバシーに配慮されているかなど、あらかじめホームページなどで院内の設備や対応をチェックしておくとよいでしょう。

大腸カメラが不安な場合、代わりになる検査はある?

大腸カメラが不安な場合、代わりになる検査はある?

大腸の病気を調べる検査には、大腸カメラ以外にも便潜血検査や大腸3D-CT検査(CTコロノグラフィー)などがあります。「鎮静剤が使えない」「過去に激痛で検査を中断したことがある」など、どうしても大腸カメラに抵抗がある場合は、大腸3D-CT検査(CTコロノグラフィー)を検討するのも1つの方法です。

■大腸の病気を調べる主な検査

便潜血検査 大腸内視鏡検査(大腸カメラ) 大腸3D-CT検査(CTコロノグラフィー)
検査の概要 便の中に血液が混じっていないかを調べる検査。 肛門から直径12mm程度の内視鏡を挿入し、リアルタイムで腸内の状態を観察する検査。 肛門から炭酸ガスを注入し、大腸を膨らませた状態でCT撮影を行う検査。撮影した画像をコンピューターで処理して3次元画像を作成することで、内視鏡で覗いているかのように大腸内部を観察できる。
メリット 自宅で少量の便を採取して提出するだけで済み、検査に伴う痛みやリスクがない。 大腸の粘膜を直接確認でき、詳しい診断のためにその場で組織を採取したり、ポリープの切除を行ったりできる。X線を使用しないため、被ばくのリスクがない。 大腸カメラのように大量の下剤を飲む必要がなく、内視鏡の挿入に伴う痛みがない。検査時間は15分前後で、準備を含めても1時間程度。大腸の癒着や狭窄で内視鏡の挿入が困難な場合でも検査が可能。
デメリット 早期の大腸がんや小さなポリープなどは出血しないこともあり、見逃されてしまう可能性がある。 腸内をきれいにするための前処置が必要であり、体への負担が大きい。内視鏡の挿入技術が未熟な場合、痛みを感じやすい。 撮影にはX線を用いるため、ごく少量の被ばくを伴う。平坦な病変や5mm以下の小さな病変は検出しにくいことがある。組織の採取はできないため、病変が見つかった場合は改めて内視鏡検査を受ける必要がある。
検査で分かること 大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患などの疑い 大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、虚血性腸炎、大腸憩室症など 大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、大腸憩室症など
こんな方におすすめ 40歳以上で、簡易的な大腸がん検診を受けたい方
便潜血検査で陽性と言われた方
便秘や腹痛などの気になる症状がある方
40歳以上でより詳しく大腸の状態をチェックしたい方
便秘や腹痛などの気になる症状がある方
大腸の精密検査を受けてみたいけれど大腸カメラに伴う痛みや負担は避けたい方
手術による癒着などが原因で大腸カメラが難しい方

大腸3D-CT検査は、CTによって撮影した画像を3次元的に表して大腸の状態を観察する検査で、体の中に内視鏡を入れる必要がありません。そのため、大腸カメラで感じるような痛みはほとんどありません。大腸内を完全に空にする必要もないため、検査の前に服用する下剤の量は大腸カメラの半分以下で済みます。

大腸3D-CT検査は大腸カメラと同様に病気の早期発見に優れた検査ではありますが、5mm以下の小さな病変の発見は大腸カメラのほうが得意とされています。また、万が一悪性が疑われる病変が発見された場合、後日改めて大腸カメラを行い、組織を採取して詳しく調べる必要があります。

大腸カメラも大腸3D-CT検査も、それぞれにメリット・デメリットがあるため、それらをよく理解して自分に合った検査を選ぶことが大切です。ミッドタウンクリニック名駅ではどちらの検査も実施しており、各種健康診断・人間ドックのオプション検査として受診いただけます。大腸カメラは鎮静剤を使用して行うことを基本としており(鎮静剤なしも選択いただけます)、検査は経験豊富な消化器内視鏡専門医が担当します。

当クリニックでは外来診療で健診後のフォローを行っており、もし大腸ポリープが見つかった場合でも、後日外来を受診いただければ保険診療でポリープを切除することが可能です。

大腸の病気の中でも、特に大腸がんは定期的な検査を受けることで早期に発見し、進行を防ぐことができる病気です。大腸カメラの痛みが心配で検査をためらっている方は、ぜひお気軽に当クリニックへご相談ください。皆さまの不安に寄り添い、負担の少ない検査方法をご提案いたします。

よくある質問

大腸検査について、よくある質問にお答えします。

Q. 大腸がんを調べるなら、どの検査を受ければいいですか?
A. 国の指針に基づいて実施される大腸がん検診では、便潜血検査が実施されています。ただ、便潜血検査では出血が起こりにくい早期の大腸がんを見つけることは困難なため、機会があれば大腸カメラや大腸3D-CT検査を受けることをおすすめします。

Q. 大腸検査は毎年受けるべきですか?
A. 大腸がんのリスクが高くなる40歳以降は、便潜血検査を毎年受けることが推奨されています。一方で、大腸カメラや大腸3D-CT検査のような精密検査は、必ずしも毎年受ける必要はありません。検査の結果、異常なしと診断されたら、精密検査は3〜5年後を目安に行い、便潜血検査は毎年継続しましょう。ポリープが見つかった場合、大腸がんに進行する可能性もあるため、精密検査の間隔について医師と相談した上で、必ず次の検査を忘れず受けることが大切です。

Q. 大腸3D-CT検査の流れを教えてください。
A. 大まかな流れは以下の通りです。
検査前:検査前日は消化のよい検査食を摂り、手順に従って経口造影剤(大腸・病変・残便を識別しやすくする薬)と下剤を服用します(下剤は前々日から服用します)。
検査当日の準備:食事は摂らずに来院し、検査着に着替えて、検査台の上に横になります。肛門から細いチューブを挿入して炭酸ガスを入れ、大腸を優しく膨らませます。
CT撮影:うつ伏せと仰向け、それぞれの姿勢でCT撮影を行います。1回の撮影は10秒程度で、検査時間は全体で15分程度です。

人間ドックコース・料金

当クリニックでは皆さまのご要望に柔軟に対応できるよう、多様なコースをご用意しています。
どのコースを受けたら良いかわからない場合は、お気軽にご相談ください。

記事監修

森山 紀之

医療法人社団進興会 理事長

1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

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