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大腸がんを早期発見するために。大腸CT検査をご存知ですか?

2019.06.25

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現在、女性のがん部位別死亡率の第1位は大腸がんで、男性も2020年には第1位になると言われています。(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」)大腸がんは見つけるのが早ければ早いほど治る可能性が高くなります。早期の段階で発見できるように、定期的な検診を受診することが重要となります。

では、大腸がん検診では、どのような検査方法があるのかをご紹介します。

便潜血検査

便に潜む血液の有無を調べる検査、いわゆる検便を行います。大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着します。便潜血検査では便に血が混じっているかどうか調べ、目に見えないわずかな出血も検知することが可能です。通常2日間分の便を採取します。食事制限の必要もない簡単な検査です。

大腸内視鏡(大腸カメラ)検査

便潜血は有効な検査ですが、出血しないポリープや早期がんもあるため万能ではありません。内視鏡は小さい腺腫や早期がんの段階で見つけることが可能なので、早期発見に適した検査方法の一つです。ただし、便の検査と下剤を使用するため体への負担が大きいこと、また検査時間が20分~30分と長くかかります。人間ドックなどのオプションでつける方が多い検査になります。

そして、近年新しい検査として登場したのが、『大腸CT検査(CTC:CTコロノグラフィ)』です。今回は、大腸CT検査について詳しく説明します。

大腸CT検査(CTC:CTコロノグラフィ)とは

最新の精密検査法である大腸CT検査とは、大腸に炭酸ガスを注入し腸管を膨らませた状態でCT撮影を行い、3次元画像を作成し大腸の病気を診断します。大腸内視鏡(大腸カメラ)検査のように組織を採取したり治療をすることはできませんが、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査に比べ飲用する下剤量が少なく、体への負担も少ないのが特徴です。また、検査時間も短時間(約1015分)で済む事も大きな特徴です。

大腸CT検査では、特別な解析装置を用いポリープなどの病変を内視鏡(大腸カメラ)と同じように描出します。そして診断精度は内視鏡に匹敵すると言われています。

腹部の手術歴から癒着があり大腸カメラが入りにくい方や、痛みが心配で内視鏡(大腸カメラ)検査を受ける決心がつかない方にお勧めです。加えて大腸の診断だけではなくCT装置で腹部全体を撮影するため腹部臓器の診断が行えます。(肝臓、膵臓、胆のう、腎臓、子宮、卵巣、前立腺など)

  大腸CT検査 大腸内視鏡検査
長所

・短時間の検査(10~15分程度)
・大腸内視鏡検査と比べ苦痛が少ない
・腹部全体を撮影するため大腸以外の肝臓、すい臓などの診断ができる
・360°回転し腸のヒダの裏側まで確認できる

・病変があった場合、切除・組織の採取が可能
・平坦な腫瘍、5mm以下の小さなポリープも見つけやすい
・粘膜面の色調を観察できる。
短所 ・組織の採取ができないため、異常が検出された場合は大腸内視鏡を受けることが必要
・病変の色や硬さの情報は得られない
・平坦な病変や5mm以下のポリープは検出しにくい
・X線を使用するため、妊娠の可能性のある方は受けることができない
・内視鏡挿入時に苦痛を伴うことがある
・腸のヒダの裏側や屈曲部はカメラの死角となり病変が見つけにくい事がある
・内視鏡で腸内を傷つける可能性がある・狭窄部位があればその部位より奥は観察できない

 

大腸CT検査の流れ

前処置(検査前日)
他の大腸検査と同様に前処置を行う必要がありますが、少量のバリウムを飲み残便を白く色付けするため、病変との識別が可能となり、大腸CT検査では大腸内を完全にきれいにする必要はありません。検査前日に消化の良い専用の検査食をとり、少量のバリウムを飲みます。最後に就寝前に200ml程度の少量の下剤を飲みます。内視鏡(大腸カメラ)検査のように2Ⅼの多量の下剤を服用する必要はありません。

大腸CT専用検査食
食物繊維の一種難消化性デキストリンを配合し、水様便の形成を助けます。また適度な脂肪分を含み腸管蠕動(ぜんどう)をそくします。

検査(検査当日)
①撮影前に腸の動きを抑える注射を行います。
②細いチューブを肛門から5cmほど挿入し、炭酸ガスを注入して大腸を拡張します。検査時は少し腹満感がありますが、炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査終了後の膨満・腹痛はほとんどありません。。
③CT でうつ伏せと仰向けで2回の撮影を行います。
*1回の息止めは10秒程度、全検査時間は10~15 分程度です。 
④CT装置で撮影した画像データをもとに解析処理を行い、仮想的に大腸内視鏡像を作成し診断を行います。(結果説明は後日となります。)
*検査終了後は普通の食事に戻して頂けます。ただし下剤の効能は徐々におさまりますので心配しないでください。

いかがでしたか? 大腸がんは早期に発見治療すればほとんど治りますが、自覚症状がないまま進行してしまう病気のひとつです。40歳以上の方は、早期発見のためにも大腸がん検診は年1回行いましょう。

また
①親近者でがんになった方がいる
②最近下痢や便秘を繰り返す
③大腸の検査を受けたことがない

という方は、大腸精密検査の受診をお勧めします。従来の検査法では注腸(大腸バリウム検査)や大腸内視鏡(大腸カメラ)検査が一般的です。しかし、それらが『ちょっと恥ずかしい』『大変そう、苦しそう』と敬遠される方は、新しい検査法の大腸CT検査をお勧めします。

 

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記事監修者:ミッドタウンクリニック名駅 診療放射線技師 小瀬尚輝

【資格】
診療放射線技師/第一種放射線取扱主任者/肺がんCT検診認定技師

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